★出会い体験リポート★
前回はデート中にトンズラされるという信じたくもない異例の怪奇現象が起こりました…。
あ~なんといまわしいわたしの男運でしょう…おのれが憎い…。
もしかしたら私のキャラがいけないの?なので今回はちょっとキャラを変えてみようと思います。
今まではよくいる気さくなol風だったけど今度はもうちょっと厳格なお嬢様風をよそおってみよう!
・趣味・音楽・ピアノ・読書・小説
・お酒はあまり飲めない
・門限アリ
と、この人物像で出会いサイトにプロフィールを載せてみる。
すると厳しい条件でありながら意外にもたくさんメールがきた!その中の一通。
「はじめまして。ミノルといいます。27歳です。 ボクも音楽が好きで、洋楽・邦楽・クラシックなどなんでも全般で聞きます。今バンド活動もやっています。よかったらお友達になりましょう」
この人はなんとなく大人な感性をもっているような気が。
ただバンド活動というのはいささか不安が……。
しかし、これならまさかヘビメタのバンドではあるまいし、おおかたジャズバンドか何かだろう。
それならむしろカッコイイ♪
しかし、私の予想イメージ像は今までことどとくハズレてるのでアテにはならないがこの人は今までの男たちとは何かが違う気がする!
その直感だけを頼りにメールのやりとりを続けた…。
─────そして一週間後
ついにデートをすることに!どんな人がくるのか…。
イメージでは白いポロシャツか何かを着てシンプルにキメたファッションで髪もあまり染めたりしておらず自然な感じ、かつ落ち着いた男性のイメージ。
はたしてこの予想は当たるのか!?
しかし…! 待ち合わせに現れた男…それは…。
ビジュアル系バンド男!!
キターッッッ━━(゚∀゚)━━!!!!!
黒の皮ジャンを着て、腕には凶器のようなアクセサリーをつけている。
ちなみに、私ビジュアル系もバンドマンも基本的に苦手なんですよ……。
「いやぁ~想像してたより大人っぽいですね。とりあえずどっかでゴハンでも食べます?」
私は硬直したまま男についていく…。
こんな人と話が合うのだろうか!?どんどん不安がつのる…。
そのうえ彼の携帯にミニチュアの手カガミストラップがついているのを発見!!
うゎ~……、典型的ナルシストなビジュアル系です。
その後、お茶を飲みながらいろいろ話をするが話してる最中、男は何度も何度も髪の毛をジャマそうにかきあげる。
そんなにジャマなら切れよ!
その衝動をおさえるのにこっちは精一杯で話の内容などろくに頭に入らない。
しかし自分のルックスを気にしているわりには、そのわりにはなんだか顔色が悪くて不健康そうに見える。
じつは相当病弱?心配になってきた。
「なんか食べるよね?おなかすいてるでしょ」
お気遣いはありがたいが、あなたこそたくさん食べて栄養つけたほうが…。
その後、ピザやらパスタやらを頼んで食事をしたがなんか血色悪いし、唇も青いから入院患者が食事をとっている風景に見えてしょうがない…。
ホントに大丈夫かいなこの人!?
ってもしかして、これ母性本能をくすぐられているわけ!?
と一瞬思ってしまう私。
いや、それはないから! 心配なだけだから!一応そう自分に言い聞かせておく。
とりあえずこちらから彼の生態をさぐってみよう…。
「あの…ふだんバンドやってるって言ってたけどいつも練習とかで忙しいんですか?」
「ちょっと待って…!なんか今いいかんじの歌詞浮かんだから待って」
コラコラコラコラーッッッッッッッッッッッッ!
お前それおかしいだろーーッ!
そう突っ込む間もなく、男はケイタイのボイスメモに突如ブツブツと言って録音し始めた。
しかもブツブツとなんて言ってんだかわからん……あのぉ。怖いんですけど……。
その後、しばらくお互い雑談をするが、私は一気に引いてしまい、なかなか会話の共通点が見つからない。
そもそも男は、
「ライブのときは、ビジュアルが映えるように軽く化粧するんだけど、おすすめファンデーションはないか?」
「男の肌によさそうな化粧水は知らないか?」
など、どうでもいいような質問ばかりをしてくる…。
自分に役立つ情報ばかり入手しようとしてるようだがわたしのことについてはあまり聞かない……。
ちょっと寂しい気持ちになってきた……。
しかし、このカベを突破したところにもしかしたら何かがあるかもしれない。
そう思って、思考のスケールを拡大化させてみる。
今もなお日々進んでいく深刻な環境問題など、それらに比べたら私がこの男に抱えている疑問なんて小さいから!
考えてみれば人に嫌われることがないように、あたりさわりなく無難に生活している人々が多い中で、彼のように独自の世界を確立してるのはむしろ珍しいことだ。
彼は絶滅危惧種なんだ。大切に扱おう!
そう思うと彼が貴重な存在のように見えてきた。
そんな貴重な生物がしゃべっている話も興味深く聞けるような気がしてきた。
よし♪乗り越えたぞ!
私がそんなことを考えているさなかに男は、
「今度よかったらライブを見にきてよ」
と、なにやらチケットを差し出す。
う…ちょっとまて、コレ受けとったら絶対行かなきゃいけなくなっちゃうの?
う~ん、めんどくさい…。
そしてつい「あ、あのすいませんけど…あたしライブとか行ったことないしあんまし興味なくて…」とつっぱねてしまった。
が、この一言が原因で重い沈黙を招いてしまう……。
ど、どうしよう…。
あからさまにキゲン悪くなっちゃったよこの人……。
しかももともと顔色が悪いから怖さ倍増…ブルブル……。
30分後…
重苦しい沈黙に絶えかね、ついに私がクチを開き、
私 「あ、あのー…これからどうします…? カ、カラオケとかいきます?」
男 「え? ああカラオケか……。うん! じゃあいこうかぁ~!」
な、なおった??
カラオケというキーワードであっさり機嫌が直った!
よかった。
やはりボーカルだけあって歌が好きらしい。
しかし!!一難さって又一難。
カラオケに行ったはいいが…おおかた予想はしていたとはいえ、男の選ぶ歌はまったく誰の曲かわからない私の知らない曲。
おそらくあまり知られていないアーティストの、しかもアルバムに入っているようなマニアックな曲を歌っているんだろう……。
男は自分が歌うたびに、
「コレ知ってる?? コレ聞いたことある??」
と、聞いてくるので、これがまたうっとうしい。
知るわけないだろ、そんなコアな曲…。
しかしあんまり
「知らない、知らない」
とばかり言ってると、また男がキゲンをそこねるかもしれないので最終的には気を使って、
「どこかで聞いたことある気がする…」
と、大ウソまでつくハメになる私。
なぜ私がこんな気遣いを…。
さらに歌ってる曲の間奏中にふいにしゃべりかけてくるので、こっちもいちいち答えるんだけど、いざ次の歌詞が始まると、こっちが話してる途中でも平気で歌に移行する。それがハラだたしい。
それでいて人が歌っている最中には間奏だろうが歌の最中だろうが平然と話しかけてきてジャマをする。
そのたびにコッチは歌を中断しなければいけない。
なんなんだ…これじゃストレス発散にならないぞ。
そして2時間後……悪夢のカラオケ終了……そして終電の時間になった…。
「いや~今日はちひろちゃんのおかげで楽しかったよ♪ また遊ぼうよ」
「は、はぁ…」
そして男と別れ電車で帰りながら思った。
「もう会いたくない…」
と…。
この人の世界に一度足を踏み入れたが最後、二度と出られない気がする。
というか出してくれなそう…。
「に~が~す~かぁあぁ~」
って感じがする。
─────そしてその日の深夜
男から「おやすみ」というタイトルのメールがきた…。
「今日はきてくれてthank you」
いやいや、カタカナでサンキューでいいでしょ?
「出会い系で会った女の子で話が合ったのは君が初めてだったから」
いやいや、めっちゃ沈黙あったんだけど……。
「なんかテンション上がっちゃいました」
え!? あれで上がっていたんだ?カラオケ以外はむっつりしていたのに……。
「ちひろちゃんは普段はどんなことして遊んでるの?」
あのぉ、そういったことは会ってるときに聞けよ!
「もっとお互いの性格とか知っていけば、きっといい感じになると思うな」
そうかなぁ……。私はそうは思えないんだけど……。
「オレのこと知ってもらうためにもぜひ一度ライブ見に来てほしいのでヨロシクね♪」
ってやっぱりライブかい!
「チケットはオレに言ってくれれば安くなるから頼むときはオレに言ってね」
ってしかも売る気かyo! 招待じゃないのかyo!
メール中の絵文字合計数 16
顔文字数 5
お前は女子高生か!!!!
しかもこのメール入ってきたの朝の4時だし!!
おやすみどころかお前が起こしてるんだよ!!
いーからおまえ早く寝ろ!!!!
というわけで私がこの人と会うことはもうないでしょう……。
[ちひろ]
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